おもちゃ花火の楽しみ
夏の風物詩「花火」
みんなが大好きな美しい「花火」。そのルーツは紀元前3世紀の古代中国、火薬の基本となる硝石(硝酸カリウムの通称)が発見されてからと言われています。
では、現在のような観賞用の花火が登場したのはいつ頃なのでしょう。記録に残っているものによると、1589年7月伊達正宗が観賞したという記録と、1613年8月イギリス国王ジェームス1世の使者としてジョン・セーリスが徳川家康に花火を見せたという記録があります。おもちゃ花火については、いつ頃作られだし売られたかはっきりしませんが、1659年、大和の国(現・奈良県)から江戸に出てきた弥兵衛(初代鍵屋)がワラの管の中に火薬を入れた初歩的なおもちゃ花火を考え売り出し、江戸庶民に爆発的な人気を得たと言われています。
以後、庶民の遊びとして発達、さまざまな研究と実験を繰り返し、今ではたくさんの花火が、私たちを楽しませてくれています。
楽しい「おもちゃ花火」
種類も豊富なおもちゃ花火。ここでは代表的な花火の紹介と遊びかたを説明しています。
安全に注意して、楽しく遊んでください。
炎・火の粉・火花を出す花火
手に持つもの
先端から火花や火の粉が吹き出るススキ、絵型もの、スパークラーや線香花火など。
地上に置くもの
火の粉、火花を噴き上げる台付のものなど。
遊びかたのポイント
- 柄のはしを持ち、火を付けたら体から離して遊びましょう。ただし、手持ち筒ものは万一の後方火吹きをさけるため、筒の底は持たないで中程の手持ち位置を軽くにぎり、ローソクで火をつけます。
- スパークラーなどの火薬が露出しているものは同時に数本の花火に点火すると、大きな炎となって燃えあがるのでキケンです。1本ずつ遊びましょう。いったん火を付けたら、火が途中で消えても決してのぞかないこと。
- マッチやライターでの点火はキケンです。缶にローソクを立て、その火でつけましょう。
- 台付噴火ものは、倒れないように真直ぐに立て、導火線の先端に線香で火を付け、すばやく5メートル以上離れます。決して手に持って火をつけてはいけません。いったん火が付いたら、火が途中で消えても決してのぞかないこと。
回転する花火
パイプなどの一端から噴射して回転させる糸付きの花火や、コマ状に地上を回転して移動するものなど。
遊びかたのポイント
- 糸付き回転花火は糸を手に持たず、少なくとも1.5メートル以上の長い棒の先に吊るします。点火するときは地上に置いて導火線の先端に線香で点火し、火が付いてから棒を持ち上げます。
- コマ状に回転するものは、平らな地面に置いて、導火線の先端に線香で火を付け、すばやく5メートル以上離れます。
爆発音を出す花火
摩擦、衝撃で爆発音を出すもの
クリスマスクラッカー、クラッカーボール、平玉、巻玉。
点火によって燃焼し爆発音を出すもの
連続して音を出す爆竹など。
遊びかたのポイント
- 音に使用する火薬類は特にキケンですので、分解することは厳禁です。
- 爆竹は手に持たず、地面に置いて導火線の先端に線香で火を付けます。点火すると極めて短い時間で爆発音を発し、飛びちりますので、火を付けたらすばやく遠くへ離れること。広い場所で使用してください。
- 導火線のないスモーククラッカーなどは、点火位置をよく確かめて、線香で火を付けます。
打ち上げ花火
単発花火
一回だけ星が光や火の粉を出しながら打ち上がるものや、内筒が打ち上がり上空で赤や緑の色星などを放出するものがあります。
連発花火
赤や緑の星などが続けて上がるものや、次々と内筒が打ち上がり色星などを放出するものがあります。
遊びかたのポイント
- 絶対に手に持って遊ばないこと。特に長い筒ものは、土や石でしっかり固定するか、杭にしばりつけます。点火すると筒先から星や内筒が勢いよく空中に飛び出しますので、決して筒先に顔や体を出さないでください。
- 狭い場所ではキケンですので広い空地で遊びましょう。
- 打ち上げ花火をビンに立てることはキケンですから絶対にしないこと。風下には火の粉が飛びますので注意しましょう。
- 台付のものは、倒れないように真直ぐに立て固定します。導火線の先端に線香で火をつけて、すばやく5メートル以上離れてください。
- パラシュートは昼間だけに使用しましょう。特に電線や家のない広い場所で遊び、風のあるときはやめましょう。
飛翔する花火
笛ロケット、流星ロケット、回転上昇する花火。
遊びかたのポイント
電線や家のない、また燃えやすいもののない広い空地で遊ぶこと。風の強いときはやめましょう。枯草や家の中に飛び込んで火災になった例がありますので、遊ぶ場所に気をつけましょう。
- 長い尾付きのものは、安定した容器(細口のビンなど)に立て、必ず方向を真上にさだめること。導火線の先端に線香で火をつけて、すばやく5メートル以上離れます。
- 回転ものは、使用法を確かめて平らなところにおいて使用します。
煙を出す花火
煙幕筒もの、スモークボール(球もの)等、赤や青などの色煙を出す。
遊びかたのポイント
- 導火線付きのものは、導火線の先端に線香の火で点火します。煙ものは燃えている時間が長いので、枯草や燃えやすいものの中に投げこまないようにしてください。
走行する花火
ねずみ花火、水上を走る金魚など。
遊びかたのポイント
- ねずみ花火は、どちらの方向へ走るか分かりません。燃えやすいもののある場所では遊ばないこと。
- 金魚は、導火線の先端に線香で火を付けたらすばやく水の上に置き、手を離すこと。
その他の花火
ヘビ玉。
遊びかたのポイント
- 燃えながらヘビのように数十倍の長さになります。風のないとき、燃えやすいもののないところで遊ぶこと。膨張した部分で汚さないように気をつけること。